1) X線撮影台
撮影台の自主製作
ステレオX線撮影ではX線フィルムを入れ替えて2枚撮ります(右)が、
この際に被写体が動くと立体的な画像になりません。
被写体を動かさずにX線フィルムを入れ替える必要があります。
このような撮影台は市販されていませんので自分で製作しました。
材料:
透明アクリル板、厚さ5mm
アルミ板 W:30mm D:3mm
木材
木ねじ
取手金具
アルミ溶接用具
撮影台の特徴
引き出しには取っ手が付けてあり、カセットの出し入れが簡単です。
右の写真(下)は、引き出し部分を裏返した状態です。
アルミ板は相互に溶接してから木材にねじ釘固定してあります。
アダプターにより六切、四切の2種類のカセットが装填できます。
荷重面のアクリル板は3方向固定で、かなりの重量に耐えられます。
ステレオX線撮影の用途と利点 1. 2mm切開ばね指手術
術前に手術部位に目印となる金属クリップを貼ってステレオ撮影を行います。
2. 肩関節の石灰沈着症
注射器で石灰を吸引する前に、皮膚の表面に目印となる金属クリップを貼ってステレオ撮影を 行います。
3. 通常のXP写真では判らない微細な骨折がステレオX線撮影で見つかることもあります。
ステレオX線撮影法が医科点数表から削除されて久しいでが、今でもその効能が消えた訳ではありません。実際に診療の場で活用されている先輩の整形外科医もおられます。
最近はエコー診断装置で石灰の場所を観察できるようになりました。ビデオ・ライブラリに石灰吸引ビデオが集録されています。
X線検査においてもデジタル化は進行中です。
X線フィルムが「デジタルX線画像」よりも優れている点は、解像度が高く、またステレオ撮影ができることの2点あり、当院は現在でもアナログ写真であるX線フィルムで診断を行ってます。。
当院で使用しているF社の自動現像機は2013年3月で製造が終了となり、 近いうちにX線フィルムは医療現場から消滅して全て「デジタルX線画像」に置きかわる流れを止めることはできません。
その時期が訪れるまで当院ではX線フィルムを続けたいと思います。
2) XPマークホルダー
既製品「XPマークホルダー」 X線撮影でXPマークホルダーは必需品です。
X線写真に撮影日などの情報を写し込むために0~9(数字)、右、左、
男、女、撮影方向(AP、PA)などのXPフィルムマークが使われます。
そして数個のXPフィルムマークを横並びでXPマークホルダーに収納
しますが、市販のものはプラスチック製(右写真、上)で使用中に頻繁
に破損するので不便を感じていました。
そこで耐久性のよいアルミニウムで自作することにしました(右写真、下の2つ)。
製作手順
上の写真の黒い鉄板は、厚さと幅がXPフィルムマークと同じ大きさになるように加工したものです。
この鉄板を芯とし、その周囲に0.3mm厚のアルミニウムシートを折り曲げながら巻き付けて、市販品と同じ形に成形します。
このあと芯となった鉄板を引き抜かなくてはなりません。
実は鉄板の長辺は平行ではなくて、片側がわずかに狭くしてあるため、アルミニウムを傷付けずに簡単に引き抜くことができるのです。
そのあと細かな修正をして完成です。
右の写真は自作のフィルムマークの収納ボックスです。
製作日は1991年で22年物です。
このボックスは上げ底で、またふた内側が凸で箱の内径とぴったり密着します。また留め金が付いていて、ふたを閉めればひっくり返しても中のフィルムマークが混合したり、こぼれ落ちたりしない構造になっています。
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