Ａ１ガングリオンの摘出手術

Ａ１ガングリオン摘出

痛みが強いばね指で、Ａ１腱鞘上に充実性のガングリオンが併発していた症例です。
ガイドナイフを用いて、６～７ｍｍの小切開で腱鞘とガングリオンを一塊で摘出しました。
厳密には「２ｍｍ切開ばね指手術」ではありませんが関連ビデオとして収載しました。

◇ Ａ１ガングリオン摘出と類似の手術

Ａ１腱鞘には時々ガングリオンが併発しますが、当院ではいずれかの手術で対応しています。

（１）Ａ１腱鞘とガングリオンを一塊として摘出する手術
　　本文では、この手術方法について説明しています。
　　手術適応は以下の２つです。
　　　　１）圧痛が非常に強い
　　　　２）ガングリオンが充実性で大きい

（２）単にＡ１の腱鞘切開だけの手術でありＡ１ガングリオンの併発に説明があります。で
　　手術適応は以下の２つです。
　　　　１）圧痛が軽微
　　　　２）水様成分が大半を占める

近年、Ａ１腱鞘との同時摘出は減少し、単にばね指手術だけの症例が増えています。　

◇　ガイドナイフの使い方

　☆当院では下の図の方法でＡ１ガングリオンの摘出手術を行っています。
　☆ガイドナイフによりＡ１腱鞘とガングリオンは一塊として長方形で摘出されます。
　☆皮膚切開の大きさは約６ｍｍで、標準ばね指手術と比べても小さくて済みます。

右の図は、通常のガイドナイフの使い方です。ガングリオンをＡ１腱鞘とを一塊として摘出するためには次の方法で行います。
切開方法＜その１＞左利きの術者向き術者から見てＡ１腱鞘の右側①を、手前から奧に向けて切開してから、右手で有鉤鉗子を操作して断端を把持して持ち上げます。続いて術者は左手でガイドナイフを操作して②の切開を行います。
切開方法＜その１＞右利きの術者向き私はこの方法で行っています。切開刀の操作方法は２ｍｍ切開ばね指手術と同じですのでそちらの映像もご覧ください。

◇ビデオ症例の摘出標本　☆実際の摘出標本を供覧しますが、ほぼ長方形の形をしています。
ビデオ症例（１）　男性５５才　右中指(C45004)	ビデオ症例（２）　女性５５才　右中指(C19174)


ビデオ症例（３）　男性５０才　右環指（C45020）	ビデオ症例（４）　女性５２才　左中指 (C42066)

◇手術ビデオを供覧

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◇その他のＡ１ガングリオン標本
症例（５）　右中指、Ａ１ガングリオン、画像再掲　（C31086,SH）

症例（６）　左環指、Ａ１ガングリオン　(C524,AM)

症例（７）　2分割したＡ１腱鞘、左中指、左は屈筋腱側、画像再掲　（C46282,IK）

症例（８）　母指Ａ１腱鞘、内腔のあるガングリオン　（C34658,TK）